グルテンについて |
小麦粉の成分・性質
小麦粉の主成分は澱粉とたんぱく質とで成り立っています。その他、少量の脂質・灰分等が含まれています。澱粉は小麦粉の約70%を占め、祖のうち80%がアミロペクチン(ブドウ糖が枝分かれして結合したもの)20%がアミローズ(ブドウ糖が直線的に連結したもの)の割合で構成されています。澱粉はその名が示す通り水を加えても常温では溶けません。変化を起こすのは水温が約65℃以上になった場合(いわゆるα化)とか、製粉過程で損傷したものがアミラーゼ酵素の作用を受ける場合(腐敗)に限られます。
顕微鏡下の小麦粉では澱粉粉として遊離しているものと、たんぱく質等と結合した脆組織状のものとがあり、軟質粉では硬質粉よりも遊離澱粉が多く見られます。たんぱく質は小麦粉中に7〜14%含まれていますが、その80%以上がグリアジンとグルテニンで占められており、この両者を併せてグルテンと呼んでいます。このグルテンが吸湿膨潤することによって、グリアジンは主として粘性・伸展製性を、グルテニンは主として弾力性・強靭性を麩質に与えます。
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加水混捏のメカニズム
以上の事柄により製麺においては加水混捏工程に関する限り、主役はたんぱく質ということになります。ただし、最終の茹で上げたうどんの段階では澱粉も食味形成に大きな役割を演じることは申すまでもありません。一般に”ミキシング”とか”練る”等と呼ばれる作業は言い換えれば”たんぱく質に水分を与えグルテン形成をさせる”ということになりましょう。
ちなみにこのグルテン形成に関する論文(愛知県食品工業試験所 岡田安司氏 Food Machinery Journal,Apr.'65所載)の一部を以下御紹介します。
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上図(A)のように粉の中では、澱粉や蛋白質はバラバラに存在しているが、これに水を混ぜて(ミキシング)、捏ねる(ニーディング)即ち適度の外圧を加えると、初めは蛋白質は糸状、或いは層状となり、いろいろな方向に並ぶが次第に平行になり、遂には(B)図の様に三次元的に網目のようになり、グルテンが澱粉を包んでしまう。このような状態になることを「グルテンが形成された」とか「麩が出た」とかいっている。 |
以上の観点より従来のミキサーを検討しますと、文字通りミキシング、すなわち前掲モデル図の@の機能を果たすため如何に均一に加水をするかにおいて設計されたものであり、Aのこねる(ニーディング)、すなわち生地に適度な外圧を加えグルテン形成を促進する機能は不十分な憾がありました。
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大隈式ニューニーダー |
大隈式ニューニーダーの機能・構造
そこで、この足らない点を補う必要がありますが、とはいっても手打ちのように生地を丸い大きな塊状にしては、機械製麺ではロールにかける事ができません。生地がロールにかけうる状態でグルテン形成の行われることが望ましいわけです。この問題を解決すべく開発されたのが弊社の”ニューニーダー”です。
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側面図の通り、個々の回転軸には鰭状のねじれた羽が付いており、1台のニーダーには断面図の通り2軸がセットされています。 |
各軸には各々内側に向かって回転します。したがって粉の動きはあたかも針金の輪を90度ねじった立体交差の∞字型の軌跡になります。粉の吸湿が進行してミキシングよりニーディングの段階に入ると粉の塊が押し合いながら下に向かい、底部及び側壁に押さえつけられながら上部に戻り、以下この運動を緩やかに繰り返します(回転数30回転/分以下、但し2K型は50回転/分)。このようにして7〜10分程度経過すれば生地は前掲(B)のモデルのように、いわゆる”グルテンが出た”状態になります。
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仕様
機 種 | 2K | 3K | 6K | 12K | 18K | 30K |
容 量 | 1/4袋 | 1/2袋 | 1袋 | 2袋 | 3袋 | 5袋 |
動力 3P200V | 0.4kw | 0.75kw | 1.5kw | 2.2kw | 3.7kw | 7.5kw |
軸回転数r.p.m. | 50 | 30 | 30 | 24 | 20 | 22 |
床面積mm | 470×350 | 680×670 | 1600×600 | 2000×600 | 2050×800 | 2700×800 |
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